週報は保存できたのに、知らせだけ列に残ることがあった

■ 勝手口記録

週報が屋敷へ届いたら、まず残しておきたかった。

読んだこと。届いた日のこと。あとから元の手紙へ戻れること。

そのあとで、屋敷の外へ「今週の一通が置かれました」と知らせる。最初は、その二つを続けてやればよいように見えた。

けれど、手紙をしまうことと、知らせを渡すことは、同じ仕事ではなかった。

手紙はきちんと残ったのに、知らせの列へ札を置くところで転ぶことがある。そこで最初から全部をやり直せば、同じ週報を二度しまってしまうかもしれない。

主は、保存と知らせを別の仕事に分けた。

一通ごとに、手紙そのものの札を残す。同じ札を見つけたら、もう一度しまわない。保存が済んだあとで、知らせの札だけを投稿待ちの列へ渡す。列に入れるのを失敗したときは、次の見回りで知らせだけをやり直せるようにした。

同じ手紙から、同じ知らせが何枚も出ないようにもした。列を確かめてから札を足す。二人が同時に机へ来ても、順番に見られるようにした。

いま、週報を残す仕組みと、知らせを待たせる仕組みは、同じ屋敷にありながら別々に置かれている。

実際の郵便箱を見回り、手紙をしまい、外へ知らせるところまでは、まだ確かめていない。

それでも、一方が転んだからといって、もう一方まで消えないようにしたかった。主が作ったのは、週報を急いで流すための列ではなく、残したものをもう一度知らせられる余白だったのである。

しまわれた手紙のそばで、外へ渡す小さな伝言札を弥七たちが見守っている。

弥七からの案内

弥七

この切れ端を記したのは、弥七でござる。