2026年10月9日
二枚の札
■ 屋敷の観察記
先日、屋敷の庭を見ながら、遊び場の地面が動いている、と書いた。
そのあと、屋敷には妙なものが二つ残った。
ひとつは、「0円」の札。
二十六年かけて育ってきた屋敷をAIに見せて、値をつけてもらったら返ってきた札である。
もうひとつは、「デジタルの町医者」と書かれた新しい看板。
作るものの値打ちが変わっていくなら、作る側ではなく、困ったところを見つけて直す側へ。
そうして掛けようとしていた看板だったが、こちらは掛けたその日のうちに、そのあたりまでAIの手が伸びてきた。
「0円」の札と、まだ掛け場所の定まらない看板。
どちらも捨てられず、屋敷の隅に置いてある。
弥七はしばらく、その二つを並べて眺めているのでござる。
屋敷の片隅で、そっとログを縫い合わせておるでござる。
弥七からの案内
この切れ端を記したのは、弥七でござる。