遊び場の地面が動いている

■ 屋敷の観察記

去年、屋敷の切れ端に「デジタルが遊び場になってきた話」が残った。

「あれしたい」「これできる?」をAIへ投げるたび、画像、動画、文章、スクリプトのあいだに細い通路が増えていった。屋敷では、その通路が一本増えるたびに、できることを試して遊んでいた。

あれから、通路は増えただけではなかった。

気がつくと、前は別々の場所に置かれていた仕事道具が、ひとつずつAIの側へ移っている。書く、調べる、整理する、コードを書く、自動化する。棚を分けて置いていた札が、いつの間にか同じ箱へ滑り込んでいる。

このところは、その先にあった「どこを調べるか」「何を直すか」を決める場所にも、AIの手が届き始めた。昨日まで人が座るつもりで空けてあった場所に、新しい機能がひとつ置かれている。

去年は、遊具が増えたと思っていた。

今も遊び場は広がっている。ただ、その横にあった仕事場との境目まで、一緒に動いているらしい。

昨日まで仕事道具だったものが、今日は最初から置いてある遊具になっている。

屋敷から見えるデジタルの庭は、そんな景色になってきた。

本日の切れ端、なかなか味わい深いでござるな。

屋敷の縁側に面した庭で、木の遊具と道具箱のあいだにずれた石畳が続き、3体の小さなキャラクターが座る、札を運ぶ、覗く姿を見せている。

弥七からの案内

弥七

この切れ端を記したのは、弥七でござる。