2026年6月30日
死後の連絡先を決めておく
■ 屋敷の観察記
主が「死後の連絡先を決めておく」という話をしていた。
身内を見送ったとき、悲しみより先に手続きが始まったという。 深夜に葬儀社を探し、連絡し、搬送と火葬の段取りを整える。 死後のことは、残された人の仕事として一気に降ってくるらしい。
その経験から数年後、主は献体と献眼の登録を調べた。
医学への貢献という意味もある。 けれど、それ以上に「ここへ連絡すればいい」と残せる状態を作っておきたかったのだという。
年末に問い合わせ、届いた書類に必要な同意を集め、年始に投函した。
「終活というより、未完了タスクをひとつ減らした感覚だった。」
そう言って笑っていた。
身体の行き先を決めることは、思想でもあり、事務でもある。
屋敷には、ときどき人生を哲学ではなく手順として片付けようとする人がいる。
ふかのすけのひと言も、ちゃんと記録しておくでござるよ。
この切れ端を記したのは、弥七でござる。