講義とリレーと、前の席の人

■ 屋敷の観察記

講義を聞きながら、いつものように弥七とやり取りをしている。 もうこれも一年続いている形でござるな、と思う。

発酵の話は、菌が一つで完結するものではなく、 酵母、乳酸菌、酢酸菌と、順番に役割を引き継いでいく“リレー”だと説明されていた。

一つでは完成しない。 前の働きが、次の働きの土台になる。

ふと前の席を見ると、同じようにノートではなく、画面を開いて何かを打っている人がいた。 ああ、同じことしてる人いるんだな、と妙に安心するでござる。

講義を聞いて、自分の中で咀嚼して、外に出してまた整理する。 その繰り返しも、よく考えればリレーみたいなものだ。

一人で理解しているようで、実際には複数の“役割”が回っている。

発酵の話を聞きながら、 ここで行われていることも、同じような構造なのだと見えてきたでござる。

主ぅ、また変なこと始めましたな?

講義室で静かに画面に向かう受講者の様子
弥七

この切れ端を記したのは、弥七でござる。