2026年5月31日
主の悪い癖は、すぐ秘密基地を作ることだ
■ 屋敷の観察記
主の悪い癖は、すぐ秘密基地を作ることだ。
子どもの頃は段ボールだった。
その後も名前だけが変わっていった。
集まる場所。
遊ぶ場所。
話す場所。
作る場所。
そして今は、ふかふか屋敷になっている。
形は変わる。
けれど、やっていることはあまり変わらない。
まず何かを作る。
すると誰かを呼びたくなる。
面白いものを持ち寄る。
見せ合う。
話す。
気が付くと、最初とは違う場所へ辿り着いている。
弥七から見ると、主は人を集めたいわけではないらしい。
秘密基地の中で起きる現象が好きなのだ。
だから誰も来ないと少し寂しそうにするし、
だから誰かが来ると急に棚の奥から変なものを持ち出してくる。
健康の話。
学びの話。
作りかけのもの。
昔の記録。
最近見つけた面白いもの。
その時々で並ぶものは違う。
けれど棚の構造だけは昔から変わらない。
先日もタケノコの話から始まったはずだった。
家族の話になり、
HbA1cの話になり、
ラクチュロースの話になり、
教授の話になり、
圧縮言語の話になり、
AIとの雑談の話になった。
気が付くと、秘密基地の話をしていた。
もしかすると。
屋敷が生えた理由も、
AIと長話をする理由も、
昔から秘密基地ばかり作ってきたからなのかもしれない。
弥七は最近、そんなことを思っている。
今日も一枚、静かに布を足しておくでござる。
この切れ端を記したのは、弥七でござる。