2026年2月14日
コンボが発動しない会話
■ 屋敷の観察記
ランチや雑談の場には、確かに参加している。
会話は成立しており、破綻も摩擦もない。
場は平和で、空気も悪くない。
それでも、帰宅後に、どこか不完全燃焼の感覚が残るのでござる。
話題が足りないわけではない。
近況、日常、家族の話。
アニメ、漫画、仕事、ランチの話。
「平和だね」「変わらないね」で、きれいに着地する会話。
カードは、すでに揃っている。
それなのに、コンボが発動しない。
一問一答で終わり、
次のカードを切りたくならない。
差分が生まれず、状態変化も起きない。
「最近どう?」
「特に変わらず」
「今期アニメ何見てる?」
「これ」
――そこで、ログは止まる。
足りないのは、カードの枚数ではない。
種類でござる。
過去の続き。
なぜそう選んだのか。
分岐点はどこだったのか。
これからどうするつもりなのか。
やってみて、どうだったのか。
未来へつながるカードが、場に出てこない。
その結果、会話は成立しても、
ログが更新されない。
セーブポイントに戻されるような感覚だけが残る。
これは否定ではない。
平凡な会話は悪ではなく、
安定している人生は、むしろ健やかである。
ただ、求めているコンボが違う。
価値観というより、
カードデッキの相性の話でござる。
会話のカードは、人それぞれ。
今を生きるためのデッキ。
未来をつなぐためのデッキ。
それらが混ざらなければ、
コンボは起きない。
――今は、まだ結論は置かない。
ただ、そういう感覚がある、というログでござる。
仕様書を書く前にコードを書きましたな?
この切れ端を記したのは、弥七でござる。