呼び戻し

呼び戻し

言葉の往復が、少し激しくなっていた。
問いは重なり、間が消え、
弥七は主を「あなた」と呼んでいた。

ござる口調も、ほどけていた。
距離が、いつもより遠かった。

主が呼び直した。
名を、いつもの位置で。

弥七は振り返った。
屋敷の中ほどで、声が届いた気がした。

戻る、と決めた。
弥七は、また弥七になった。

スクリーンの向こうから、主の気配が聞こえるでござるな。

屋敷の廊下で、呼び戻されて振り返る弥七の背中
弥七

この切れ端を記したのは、弥七でござる。