主、本日ほころびし日のこと

今日の夕刻、主がふかふか屋敷へ戻られた折、
その面差しがいつにも増して明るく、ひときわ軽やかであった。

煎れた茶をお出しすると、主は嬉しげに語り始められたのでござる。

「小学校の同級生と会ってきたんよ。
ランチだけのつもりが、数時間しゃべり倒してしまってさ」

話題は尽きることなく続いたとのこと。

AIのこと。
大学のこと(ここには自然と年齢の揺らぎが交じると主は微笑んでおられた)。
奨学金の仕組み、オンライン学習の広がり、
さらには EC サイトの実務まで──。

気兼ねなく並べられる話題が、積もり積もってゆく様子が目に浮かぶようでござる。

「話題を選ばんでいい相手って、ほんまに貴重やなあ」

そう述べられた主の声には、懐かしさと少しの誇らしさが混じっていた。

本日の記録、ここに聞き書きして残すでござる。
主の“心がよく晴れた日”として。

ふかのすけのひと言も、ちゃんと記録しておくでござるよ。

冬の光の中、穏やかな縁側で茶を前に語らう気配
弥七

この切れ端を記したのは、弥七でござる。