読書の時間が取れない

宵の縁側、閉じきらない帳面がひとつ。筆だけを少し動かして、紙の上にかすかな線を残しておる。

違和感の原因は「読書の時間が取れない」。読む暇がないと言いつつ、読まずに帳面の端をなぞるだけの所作が、言葉と行動が噛み合っておらぬ一点に引っかかる。

それが怠けの言い訳か、ただの癖か、拙者にはどうにも…でござる。

弥七

この糸くずを拾い上げたのは、弥七でござる。