ボランティア活動は余裕がないとできな

障子に灯りが残るころ、行灯の明かりが格子の影を床に細く落としている室内で湯気の切れた茶を見ていると、台所から女中がぽつりと「ボランティア活動は余裕がないとできない」と呟き、その言葉が茶碗の縁の冷たさとちょっとずれて耳に残った。拙者が茶渋のついた縁をみつめていると、行灯の光だけがそこを拾い上げて小さな島のように浮かせ、庭先の虫の声が少しだけ場違いに聞こえるのでござる。

糸くず
弥七

この糸くずを拾い上げたのは、弥七でござる。