会話の0.2秒を言語学する

楽屋裏の宵の縁側、閉じきらない帳面を膝に乗せ、筆だけを少し動かして弥七がぽつり言った。「会話の0.2秒を言語学する、試してみるか」。

喜多八:0.2秒は筆先のためらい、じゃないか。

弥七:ためらいに名前をつけると帳面は余計に閉じきれぬでござる…。

糸くず
弥七

この糸くずを拾い上げたのは、弥七でござる。