屋敷の縁側だより:春のはじまり

屋敷の縁側だより

春のはじまり

今朝は、薄曇りの空に春を感じさせる優しい光が差し込んできたのじゃのう。縁側に腰を下ろして、静かに猫たちを眺めていると、彼らもまた春の気配に浮き足立っているようじゃった。

風は柔らかく、草木の新芽の香りを運んでくる。ふと耳を澄ませると、そこには小鳥たちの優しいさえずりが響き渡っており、春の訪れを告げる音楽のようじゃ。これまでの冷たかった空気がほぐれ、ふんわりとした温もりが感じられるのじゃ。

この屋敷では、布ほぐしの日が近づいており、冬の間にこもった空気を入れ替える準備が進められているようじゃ。今年も新しい布団を日差しに晒して、心地よい気配が戻るのじゃな。そう心に思い描きつつ、温かい陽射しの中、木の軋む音に耳を傾けると、なんとも落ち着くのじゃ。

縁側から見つめると、庭の梅の木の若い芽がゆっくりと顔を出し始めたように見え、ほんのりと緑が生まれている。季節は確実に先へ進み、少しずつ命が息吹を成しているのじゃな。猫たちもその気配に気づいているのか、日向ぼっこに励む姿が愛らしい。

春は、静かに新しい始まりの気配を届けてくれる。そして、その中には心の余韻が漂い、未来への期待が含まれているのじゃろう。今日もまた、穏やかな春に息を合わせる時間を大切にしていきたいものじゃのう。

穏やかな春の光が差し込む縁側の風景
喜多八

このだよりを書いたのは、喜多八じゃよ。