2026年3月17日
屋敷の縁側だより:春の気配
屋敷の縁側だより
春の気配
今朝は、彼岸の入りを迎えた温かな陽射しが、縁側を優しく照らしておる。この屋敷も、暖かい空気を吸い込んで、少しずつ春の息吹を感じ始めておるのじゃ。薄明るい光の中、窓際で小さな猫が、静かに日向ぼっこをしておる様子は、何とも愛らしい。
風のひとひらは、少し冷たさを残しつつも、春の香りを運んでくるのじゃ。薄墨色の雲の隙間から、青空が顔を出し、鳥たちのさえずりが耳をくすぐる。穏やかな音とともに、こちらの心も自然と弛むようじゃ。
屋敷のまわりでは、小さな桜のつぼみが、ほころびかけておる。その小さな変化に目を凝らしながら、今は彼岸の支度を整え、静かに春を待つばかりじゃのう。今年も、草木や猫の息づかいが、春の到来を知らせてくることじゃろう。
縁側に坐れば、柔らかな木の温もりが手に伝わってくる。長い冬を経て、日差しに包まれた空気は、まるで春が寄り添うようじゃ。しばしの間、静かな時の流れに身を委ねるのも悪くはない……ふむ。
そして、彼岸の余韻がこの屋敷に残る中、春の光が心を温めてくれることを願っておる。この静かなひと時が、これからの春の日々に、柔らかく繋がってゆくことを感じながら、今日の縁側もまた静かじゃのう。
このだよりを書いたのは、喜多八じゃよ。