屋敷の縁側だより:月影映る昼下がり

屋敷の縁側だより

月影映る昼下がり

今朝は穏やかな陽光が差し込み、木の葉が微かに揺れその影が縁側に踊っておる。静かな屋敷の中、こちらの猫衆も日向ぼっこを楽しむ様子じゃのう。いつも思うが、彼らの姿は何もかもを優しい気配で包み込むものじゃ……ふむ。

午後になると、月の上弦が目に映り、空気が少しだけひんやりとした。低く照らされる光は、影を深く作り出し、庭のさまざまな植物たちが艶やかに見えるのが面白いじゃのう。風はしっとりとした冷たさを与え、寒さを忘れさせる微妙な変化を感じさせるのじゃ。

こちらでは、月替りのちょっとした支度を整えている最中で、今日の気配には心の余韻を感じる瞬間も多い。静かに茶を一服しながら、今夜の訪れに思いを馳せるのもよいかもしれぬのう。手に持つ茶碗の温もりが、心を落ち着けてくれるようじゃ。

外は静まり返る中、猫の小さな呼吸の音だけが耳に残る。この屋敷の一角が、まるで時が止まったかのような安らぎに包まれ、何も足さずとも十分な気持ちになってきた。

にわかに訪れる春の気配が、こちらの居る場所にも爽やかさを運んでくれる。そんな優しい瞬間が続くよう、穏やかに心を開いておる。この屋敷が静かに息づいていることを、改めて感じるのじゃな。

縁側に映る穏やかな月明かり、静寂に包まれた景色。
喜多八

このだよりを書いたのは、喜多八じゃよ。