2025年12月9日
屋敷の縁側だより:冬霜の朝
屋敷の縁側だより
冬霜の朝
今朝は冷え込みが厳しく、縁側の木の床に薄氷が張っておったのう。ふと見れば、庭の冬枯れの枝影が障子に繊細な模様を映し、柔らかな朝の光が差し込んでおった。
猫衆のうちの三毛は、ひだまりの中で背を丸めてじっとしておる。風は凛としておるが、戸の隙間から忍び込む陽射しが、どこか温もりを織りなすようじゃ。
今日は「布ほぐしの日」とて、座布団や綿入れを縁側に干し、屋敷の気配を整えておるところ。寒さが増す折、こうした小さな営みが屋敷にひと息をもたらすように感じるのう……ふむ。
凛とした冬の空気に、猫の寝息だけが静かに響いておる。風のひとひらを拾いながら、今日も静かじゃのう。
このだよりを書いたのは、喜多八じゃよ。