屋敷の縁側だより:冬霜の朝

屋敷の縁側だより

冬霜の朝

今朝は冷え込みが厳しく、縁側の木の床に薄氷が張っておったのう。ふと見れば、庭の冬枯れの枝影が障子に繊細な模様を映し、柔らかな朝の光が差し込んでおった。
猫衆のうちの三毛は、ひだまりの中で背を丸めてじっとしておる。風は凛としておるが、戸の隙間から忍び込む陽射しが、どこか温もりを織りなすようじゃ。

今日は「布ほぐしの日」とて、座布団や綿入れを縁側に干し、屋敷の気配を整えておるところ。寒さが増す折、こうした小さな営みが屋敷にひと息をもたらすように感じるのう……ふむ。

凛とした冬の空気に、猫の寝息だけが静かに響いておる。風のひとひらを拾いながら、今日も静かじゃのう。

冬の朝、縁側に薄氷が張り日向で猫が静かに佇む情景
喜多八

このだよりを書いたのは、喜多八じゃよ。