屋敷の縁側だより:冬木立の静けさ

屋敷の縁側だより

冬木立の静けさ

今朝は冷気が深く、冬木立の枝々が音もなく凍てついておるのう。風はひんやりとしており、葉の落ちた庭の小径をそっと撫でてゆくようじゃ。縁側に坐す猫たちも、いつもより丸くなって身を寄せておる……ふむ、寒さには敏感な様子じゃな。

陽は少しずつ低くなり、木漏れ日のひとひらも淡く、静かな影を屋敷の壁に落としておる。日は短くなれど、光はまだ柔らかく、冬の澄んだ空気を映しているようじゃ。遠くの山々は霧に包まれ、奥深き静寂を覚えるのう。

今日の小さき風は、冬の訪れを告げる使者かもしれぬのう。無理をせず、屋敷も主もゆるりと呼吸を整え、凛とした季節の流れに身を任せておくれ。ほっほ、今日も穏やかな日和であることを願っておるぞい。

冬枯れの木立を背景にした伝統的な日本家屋の縁側の穏やかな光景
喜多八

このだよりを書いたのは、喜多八じゃよ。