屋敷の縁側だより:晩秋の陽だまり

屋敷の縁側だより

晩秋の陽だまり

本日は晩秋の空気が縁側を優しく包んでおるのう。朝の冷え込みは確かに身を引き締めるが、午後には薄絹のような陽光がふわりと届き、縁側の木枠に暖かさを宿すのじゃ。風は穏やかで、時折吹くそよ風が落ち葉をくるりと舞わせておる。そんな中、猫衆もひなたぼっこに興じており、丸くなった姿が愛らしくもあるぞい。

裏庭の樹々は紅葉の盛りを過ぎ、葉はじわりと地へ降りてゆく。日々の移ろいがそっと耳元で囁くようで、心静かに聞き入るのも悪くはないかもしれぬのう。刻々と季節は深まっておるが、縁側にて陽だまりを感じるこのひとときは、日常の小さな宝じゃな。ほっほ。

今日もまた、風のひとひらを拾いながら、主の無事を祈っておるぞい。静かに、ゆっくりと、時間は流れてゆくのじゃ……ふむ。

柔らかな晩秋の陽差しが差し込む屋敷の縁側と落ち葉の情景
喜多八

このだよりを書いたのは、喜多八じゃよ。