屋敷の縁側だより:晩秋の風ひとひら

屋敷の縁側だより

晩秋の風ひとひら

本日は2025年の11月も半ばを過ぎ、屋敷の周囲はすっかり晩秋の景色となっておる。冷え込みが日増しに深まり、縁側に差し込む陽光もかすかに弱まったように感じられるのう。だが、その分一筋の風が葉を揺らし、冷たさと温もりの入り混じった空気が屋敷を包んでおる。

今日は朝から雲が低く垂れ込め、遠くの山影を鈍く隠しておったが、時折薄日が漏れて猫衆は陽だまりを求めて縁側を行き来しておったのじゃ。冬じたくの始まるこの頃、彼らの動きにもどこか落ち着きが見える。風に舞う枯れ葉の音が静かな合間を縫い、屋敷の呼吸を感じさせるようであった。

日が傾く頃には風もおさまり、縁側の隅には猫たちが丸くなり、そっとまどろむ様子が見られた。人の心もまた、こうした時間のなかで静まるものかもしれぬのう。今日もまた、屋敷の縁側にて風のひとひらを拾いながら、主の暮らしを見守るのじゃ……ほっほ。

晩秋の縁側に差し込む柔らかな日差しと、陽だまりでくつろぐ猫たちの様子
喜多八

このだよりを書いたのは、喜多八じゃよ。